うさぎの月 雲間の月

2014090902
窓から月が見えるので久しぶりに一眼レフカメラを持って撮ってみるものの、手持ちで最も望遠の効く90mmのレンズではこのくらいの大きさになってしまう(もっともレンズはこれも含めて2本しか持っていない。)。以前、300mmまで撮れる望遠レンズを持っていたのにあまり使うことがなく、他のレンズが欲しくなったので処分してしまったことを今さら悔やんでみたりする。
この月はうさぎさんが逆立ち気味になって見える。「月にうさぎがいてお餅をついている」論については子供の頃、最初に聞いたときからたぶん全く興味もなかったし、その後も百科事典を見ては月が荒涼とした、大気も水もない砂漠のような星だという印象があったから、本当にどうでもよかった。これをヨーロッパの人たちは「カニ」がいると見ているという文章を読んだ時には、「なるほど、そうも見えるなあ」とも思った。
けれど最近「かぐや姫」の話を何かで改めて聴いたときに、宇宙船が月に辿り着くはるか以前に、もう人は月を異世界と見ていたのだなあという気持ちをもった。少なくとも10世紀は遡る話のはずのなのに、そこを異世界として考えていた当時の人たちの気持ちの方が不思議な気がする。

2014090901
母との意思疎通がどうもうまくいかない。だれでもそうだとは思うものの、年令を重ねるにつれ頑なになり、こちらの話を受け入れる余地が少なくなった。本来は自営で家計を支えてきた強い人だった分、この数年で身体機能がおとろえ、自分の思うことが思うように進まない点に不満を感じているのがよくわかる。その分が関わりのうまくいかなさに反映しているように思う。
最近もちょっとしたことがあり、それは冷静になれば自分もいけないのだろうけれど、中立的な母担当の介護職員さんにともかく話をお伝えしておこうと夜に犬を連れだしてデイまで手紙を届けに行った。犬はふだん僕がそんなに長い距離を散歩させることがないので途中で何度か帰りたがったけれど返すわけにも行かず。郵便受けに手紙を入れたら前の家の人が外に出てスマートフォンで雲間の月を撮影していた。