
夏の終わりからの、からだとこころの不調がまだ続いていて、なかなかパソコンに向かう気にもなれなかった。せっかく戻りかけていた生活リズムも、また以前のような感じになっている。ただ、たとえば次の日にはどうしても出ないといけない用事があるという時に、それにゆとりをもって出かけられるよう調節する努力はするようになった。それは、動き出しをなるべく早くするというだけのとても単純なことなのだけれど。
僕は、もしかするとこうすればいい状況が実現するかも知れない、と思い始めると、それがしつこく頭に残って自然と考え続ける。周囲から見るとそれは無駄な思考に見えることもあるらしく、これまで実際に、「そんなに考えなくてもいいで」と言われたこともあった。けれども自分にしてみると勝手に考えるだけのことでその人に迷惑をかけているわけでもないのに、どうしてそんな風に言われるのかと納得がいかなかった。ここ2、3日は「母親の白髪染めをより楽にできるようにするにはどうすればいいのか」を考え続けていた。

うちにはお湯が出る洗面所がない。そして母親が使う髪染め剤はお風呂で使うとお風呂場を黒くしてしまうことがあるらしい。それでこれまでは台所の湯沸かし器を使って、不自然な格好で染めた後の頭を流していた。当初、それを自分も手伝っていたのだけれど、どうしてもその不自然さが嫌で、「美容院で染めてもらったら?」と行ってなるべく安いところへ二三度連れて行った。けれど本人にしてみると、髪を整えてもらう時以外は生え際の、白髪の目立ってきたところだけを都度、家で染める方がいいという。確かに、経済的にもその方がいいのだろうけれど、もう僕は面倒くさくなっていたのでここのところ母親がそれを言い出すとその作業は父親にふっていた。ただ、父親にとってもその作業には結構時間をとられるのでなんとかならないものかと考えてみた。
うちではしたことがないけれど、お風呂場の横に洗濯機を置いて残り湯で洗濯をしている家もある。それならちょうど今、お風呂場周りを改装して広く使えるようにしつつあるので、洗濯機をお風呂場と連携させるのとおなじように、簡単な流しを入り口近くに置いて、シャワーをそこに届くようにしたら、台所の湯沸かし器や流しを使わなくてもいいんじゃないかと、その「設計図」を頭の中に描いてみた。試しにお風呂の戸をあけてシャワーホースを延ばして見ると外にも届く。
それで父親とホームセンターへ出かけてみると、ガーデニング用に戸外で使う流し台が、どうもこの用途にはぴったりだとわかった。蛇口は要らないので、足棚と排水用のホースを付けてもらっても価格的にそんなにしない。お風呂のシャワーホースは延長もできるし排水用ホースも好きな長さに調節が出来る。あとは周囲に水が飛んでも大丈夫なよう工夫をすれば母親はゆっくりと椅子に座って自然なかたちで髪染めと洗髪が出来そう。そしてこの流しは常設しておく。近くに換気扇を付けてもらう予定に以前からなっているので、短時間そうして洗髪にお湯を使う程度なら屋内に湿気がこもりきりになることもないだろう。実際にやってみないことにはそううまくいくかどうかわからないけれど、これなら自分も手伝う気になるだろうし、台所の方もこの際整理したいと思っているので、失敗しても使い回しの効くこのやり方を一度試してみようと思う。