天国というところ

ぼちぼち再開しようと思ったノートも、続かない。写真も撮りに出る気になれないし、特にこれが楽しいということも最近ほとんどない。朝、目覚めてもまたすぐに体がしんどくなってきて横になる日も多い。いつもだと、この「お盆」の時期(僕の、あまり好ましくない記憶がよく残っているこの時期)くらいになれば、朝夕はだいぶ涼しくなってくるように思っていたけれど、今年はまだ夏の勢いがそれほど衰えない。
来年で50になる。江戸時代だとそのあたりまで生きている人は長寿の部類に入ったらしい。僕はもうこのあたりでもいいのだけれどな。小さな頃からあまりいい記憶もないし、大人になっても「よし、やるぞ」と思ってやったことが今に良くつながっているということもない。そしてまた、人との関わりが悪いお前だから失敗するのだ、そもそも能力が足りないのだと、その辺りを矯正して頂くことになるらしいが、そんなに悪い存在ならばこの世にいない方が良かったのではないかと素直に思う。もう、そこまでして生き延びさせてもらう必要はないように思う。そんなに僕が悪いのなら、本来は僕の次に生まれて来るべきだった人に、この世の代表として生きてもらった方がずっと良かった。その人たちは、矯正の必要な僕をこの世に送り出して、代わりに出てくることがなかった。

出てくる事がなかった人たちは、きっと今、天国でなんの憂いもなく心平らかに暮らしているのだと思う。今生きているこの世の中というのは、たぶん昔から「地獄」と呼ばれている世界なんじゃないだろうか。そして人はこの世の中を出てからが本当の幸せを知る存在、魂となって、僕らが「天国」と呼ぶ世界で暮らすのだ。