ようやく季節を感じる

夏の盛りは親の入院の様子見で過ぎていった。気を揉むなと言われても揉んでしまう性格なので8月の初めからこれまでずっと気を揉み続けている。ただ、季節感が最近ようやく戻ってきて、今頃になるけれど夏の名残りを感じるようになった。わるい表現だとは思うものの、親のことさえなければ今年の夏はきっといいものになっていたに違いないように感じる。けれどそれは言っても仕方のないことだ。
自分のできる範囲のことだけをして、あとはただ流されているしかしょうがない時もある。科学的に生を分析し世界や自分自身を完全に理解・制御しようとしても、それは本当に「偉人」でなければ試みれないことだったし、その彼らでさえ人生のいくつもの場面でその信念について大いに迷ったこともあっただろう。
核心が自分の手の届かないところにあるのは仕方がないこととして、次第に学んできたのは、「助けを得られるのならそうするのがいい」ということ。

honor6Plus(PE-TL10)のカメラ機能は素直にいいと思う。ライカと共同開発したP9は羨ましいけれど、この機体のダブルレンズ機構もなかなか優れているように感じる。レンズやセンサーの制約から一眼レフカメラにはかなわないところが必ずあるけれど、光量の多いところで普通の風景を取るなら、スマホのカメラについての不満はあらかた解消されている。OSを6に上げたらインターフェースもますますiPhone6Plusに似たものになった。これについてはその時の気分次第でアンドロイド特有のランチャーの使い分けができるので、いわばiPhoneとアンドロイドのいいとこ取りみたいなこともできる。
iPhoneで不満だったのはアイコンが必ず上から詰まって並ぶことと、インストールしたアプリが必ずどこかのページに現れるという点だった。アイコンの位置を決め打ちされてしまうと少なくとも壁紙の上の方はそれで見えづらくなる。すべてのアプリが必ずページ上に現れると「めったに使わないアプリ」的なホルダーを作らないといけなかったりして、それがちょっと気分を重くさせる。この点は、アンドロイドならドロワーという方式があるので、よく使うアプリのみをページ上に表示させておくことが可能だ。めったに使わないものはドロワーにしまっておけばいい。
ただ、マック使いの自分としてはやっぱりスマホはiPhoneがいいなと、最後には思う。インターフェースがマックと共通化されている点。各種アプリがデスクトップのアプリと連携している点。アンチウィルスソフトを入れなくても安心を感じられるところ。それにOSの出来が素晴らしく、アンドロイドならたくさんのメモリがあって初めて滑らかに動くアプリが、1㎇のメモリでもサクサクと動作するようなところ。フォントの美しさと読みやすさ。これらはスマートフォンを初めて社会に広めたアップルならではの技術と工夫なのだろうと思う。
ただ、今の自分の経済状態だとiPhoneはやっぱり持てない。もうすぐ7が発表されるらしいけれど、これも「指を加えて」その新しいハードや技術を見ているしかない。
iPadProも素晴らしいと思う。今ちょうど盛んにCMを流しているけれども「もはや普通に家でパソコンを使う用途であれば、これ一台あれば十分でしょう?」というアップルの意志がよく伝わって来る。ブラウズする。メールを打つ。ちょっとした文章を作成したり表計算をする。surfaceにも同じことが言えるけれど、「これ一枚で十分ではないですか?」と言いたいのがよくわかる。
DTPをしたり写真や動画の管理や重い編集をしたりするのには物足らないかも知れないけれど、凝ったことを日常的にしないのならタブレットPC一枚あれば大概の事は済ませられる。むしろ外に本体を持ち出して写真や動画を撮ってきてそのまま編集できるのは大きな利点だ。この点はウィンドウズがsurfaceで先行している気がするけれど、これまで「iPhoneがあったらiPadは要らないのでは・・・?」と思っていた層には、iPadの大画面はPCとして利用すればいいと提案されたら、気持ちがぐらりと揺れるだろう。
緊張が続いた夏に見る夢に気持ちのいいものは少なく、後味の悪いものが多かった。けれどもそれなりの「収穫」があった。それは自分の特性として「過去を振り返って悔やむ度合いがとても深いことと、それが長く続いてしまう」ということ。これまでも書いたことはあったけれど、僕は小さな、小学生の頃から「もうこの自分にとっては何もかもがやり直すには遅すぎる」という感情を持つことが時々あった。何が「やり直し」になるのかもわからないのだけれども、とにかくそんな風な後悔の仕方をする傾向があった。多分これは、この先も続く特性なのだろうと今になって思う。この感情に襲われる時にも深い悲哀感がやってきて困ってしまうのだった。ただ、現実の緊張が長く続く最近では、悲哀感の代わりに具体的な不安や焦りといったものがやってくるのが、変わったといえば変わった。

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