雨の中

2014072001
雨の中で写真を撮るのは面倒だしカメラにとっては「危険」なことだけれど、もしそれができた時には普段とは違う光景を見ることができる。自分のようにお金がなく、「レンズが傷んでもまた買えばいい」と思えない状況にあると、いくら降っていても傘をカメラの上にかざして背中を濡らしながら撮ることにはなるけれど。
いつだったか、「梅雨というのは湿気でからだもやられるし、なんと鬱陶しい季節なんだろう」と本当に実感した日があった。だいぶ若かった頃のこと。でも今は、確かに湿気は不快だけれど雨についてはあの時ほどのうっとうしさを感じない。雨の日が続いてもたぶん今ならそんなに鬱陶しくない。

2014072002
人と人との関係で、どちらかが一方的にわるいということはそんなにないのだろうし、その類の言葉も割と目にする。それでも、「相手の方が一方的にわるいのだ、自分にはほぼ非はないのだ」と考えてしまうこともある。そういう時にはおそらく相手のこちらに対する感情もわるくなっているだろうし、「なぜあの人は自分の言うことをわかってもくれないのだろう」と思うことだろう。そんなことを考えているとだんだんと気分が沈んでくるけれど、それについては「お互い様」なのだとしてみればいいのかも知れない。こちらも悪いところがあるし相手にも、と。
2014072003
そしてそれは本当にそうじゃないのかなと思い始めている。たとえば相手の人が自分を慰めてくれようとするのは有難いことではあるけれど、その慰め方を今自分が必要としていないかたちで行おうとしておられるのだとすれば、その時自分にとってその人の行動は負担だと受けとってしまう。相手の方にしてみれば「なぜ、自分は善意をもって対しようとしているのにあなたはそれを拒絶するのだ」という感じになるだろう。そして自分としては、「それが今は負担に感じます」ということをきちんと伝えられたら、多分その方がいいのだろう。それができないことがこちらの「悪い」点でもあるのだろう。そうしてその逆をやってきたことも、おそらくあったことだろう。
雨の中でもレンズを濡らさずに安心して写真が撮れる方法を考えていきたいと思う。