窓から見える桜の樹ももう完全に葉っぱだけになった。この季節、雨が降ると空気も澄んで、より緑が映えてきれいだと思う。今はあんまりにもスカッと晴れた日の方がなんだかしんどい。
うつ的気分がなかなか去らない。ひとつには、これから先のことを考えるときに過去のことに触れる必要がでてきて、その頃の具体的な事柄について親と話したりしていると、当時、自分として納得のいかなかったことなんかが同時に思い出されてきて感情的になってしまい、話が進まないということがよくあった。それだけでかなり疲れた。
去年の末ごろだったか、職業センターのカウンセラーさんに「今は先の準備期間として、充電期間として過ごしてるはずなのに、ちっとも充電している気がしない」ことを話したら、「まずは生活リズムを整えることから始めたらどうでしょう」というアドバイスを頂いた。僕は引きこもるとどうしても半日くらい起きる時間と寝る時間とがズレていく。寝るのが早朝近くになり、起きるのがお昼くらいになってしまう。気になることがあるにせよ、このリズムのズレを直していくことで少なくとも「充電している、休めている」感覚が戻ってきますよと。
それで年末からはなるべくそれを意識して生活していたら、少しずつだけれども朝に起きて夜に寝るというリズムが戻ってきた。ただ、昼間にどうしても疲れが来るので昼寝することは許していたが、それでも夜にちゃんと眠くなるので、これを進めていって昼間の疲れも感じないで済むように体力をもどしていくことも考えればいいのでは・・・と思っていた。
けれど年が明けてまもなく、やはり以前の宵っ張り型生活リズムに戻ってしまい、同時に気になることもまた増えてきて、今も生活リズムは元に戻ったままになっている。
そしてそのリズムを直していこうという気力が湧いてこない。夜になっても眠れないのでゆうべは夜中にNHKのBSで放送されていたサッカーイタリアリーグ(セリエA)のACミランの試合を見ていた。本田選手の出ている試合だったが、カカーとフリーキックをどちらが蹴るかで両者が引こうとせず目線も合わせないという樣子は明らかに日本のサッカーとは違っている。以前見た試合ではバロテッリが本田にパスを回そうとせず、本田がそれに抗議して監督にポーズで訴えたりしていた。
NHKのBS放送は、親はほとんど観ることがないので節約のために契約を切ろうと思っていた。それでNHKに電話をしたら「BSの契約を切るのならパラボラアンテナを外してもらわないといけない」と言われたのでびっくりした。「民間のBSやCS放送もたくさんあるのに(うちでは親が観るためにCSの時代劇チャンネルを契約している。)どうしてですか」と尋ねると「放送法で決まっていますので」の一点張り。その説明に納得できないでいたら「上司に変わります」と言われ、その頃にはかなり疲れていたけれども「もう少し違った説明があるのかも知れない」と思い待っていた。そしてしばらくして変わって電話口に出てこられた「上司」さんも、最後はまったく同じことしか言わなかった。「放送法で決まっていますので」。
放送はとっくにデジタル化されているのだから他の有料チャンネルと同様、NHKBSも、視聴を望まない人にはスクランブルをかければいいだけのことじゃないんだろうか。法律に書いてあるからというのは本当の説明にはなっていないように思う。これでは、支払いを(主義主張があったり、単に損だからという理由で)していない世帯とで不公平が出てきてしまう。
NHKには貴重な番組がある。福祉分野は視聴率がとれないので民放でこれに継続して枠をとっている局などほぼないけれど、それをほぼ毎日やっている。「クローズアップ現代」は社会で起こるさまざまな事柄を日替わりで掘り下げて伝えてくれる。「NHKスペシャル」やEテレ(「教育テレビ」でも良かったとは思うけれども。)は、時に大手スポンサーが付いていたら放送できないだろうと思われるような内容も、例えば原発事故の現在などについても、全体で見れば民法よりは長時間伝えていると思う。
大相撲中継を、相撲に興味がなかった僕は長い間「なぜこんなものを延々と放送するのだろう」と思っていたけれど、父親が入院した際、暇な時間がちょうど大相撲中継の時間帯と重なり、「放送時間になると患者どうしが誘い合って皆でロビーの大型テレビで相撲を見ている」と聞いてからは、逆に自分も興味をもって見るようになった。
好きな女優さんが何人か出ているので今は連続テレビ小説も見ている。
それでもやっぱり今のNHKのあり方に納得がいかない。たとえば原発事故(事件)について掘り下げて伝える時間が民放よりは長いけれども、その掘り下げ方は、民放のワイドショーやニュースの短いコーナーでの掘り下げ方より深いかといえば、そうとは思えない。原発再稼働の動きを批判することは決してしないし、遠い先に安全に電気を生み出す技術を期待しなくとも、今すぐに原発がつくる電力を十分補うだけの(今原発は一基も稼働していないけれど。)技術は、海上風力発電(大震災時の津波にも耐えた。)や、これまでの火力発電をより進化させ、環境への悪影響も少なくしたガスコンバインドサイクル発電として確立していることなんかも言わない。
政権は「風力や太陽光発電の進化を待っている余裕がない」として原発を続ける根拠にしているけれど、もしNHKが今でも十分な代替技術があることを、単発のスペシャル番組でなく日々のニュースの短いコーナーででも普通に取り上げれば、その影響は大きいように思う。けれども毎日放送するメインニュースの内容は、たとえば「ニュースウォッチ9」などは逆に要らないコメントを付けることで、決して政権に影響がないよう、NHKなりの「バランス」をとっているように思えて仕方がない。あれはニュース的ワイドショーとして見た方がいい程度のレベルだといつも思っている。起きれないから録画して観ている民放の朝のワイドショーの方が、以前と比べて格段に質が上がっている。前は芸能ネタばかりだったのが、今は知恵のあるコメンテーターを毎朝呼んでニュースショーといってもいいレベルになってきている。
「逆転現象」が起きていると思う。
福祉番組はどうだろう。もしあの程度の内容を残すのでいいのなら、それこそ公共放送にふさわしいものとしてそこに資源を集中したらいいんじゃないだろうか。「中立」を意識してメインニュースで政権の意に沿う意見をキャスターに言わせるぐらいなら、いっそ報道は気象予報や緊急時のそれ程度に制限して、民放が局の特色を活かした報道をニュースショーとして発展させた方がいいように思う。実際、アメリカでは民放のニュースショーが発展していて、かといってそれぞれの局が一様に政権に擦り寄った報道をしているかといえばそんなことはない。大相撲や野球、サッカー中継なども民放で出来ないことはないことぐらい誰にでもわかる。ドラマは、これこそ民放の得意な分野だと思う。
NHKがあるばかりに民放の発達が阻害されている側面もあるのでは?と思うことは多い。放送機関に向いた人は、世間体的に信頼度が高く生活の安定度も高いNHKに魅力を感じてそこに集まってしまう。
極端なことを言えば、NHKが本来の公共として、地域のお知らせや福祉、気象予報、緊急時の広報・連絡手段のみに放送範囲を絞り、その分受信料を今よりかなり安くすれば(あるいは税としてとる。)、そこに過集中してしまっている人や資源が民放に移って、今より自由で深い報道や、もっと内容の練られたドラマも増えるだろうと僕は思う。
※これまで「お目々直し」にと思い、文章の最後にYouTubeからの動画を「共有」機能で付けていましたが、アップロードされている方が動画作成者に公開の同意を得ておられるのかがわからない場合が多いので、今後明らかに公開が無制限で許されている動画のみをこちらでも共有させて頂くことにしました。これまでのものもいったんすべて削除しました。